酸化チタン
酸化チタン(Titanium Dioxide)は、チタン鉄鉱(イルメナイト鉱)又はチタンスラグから酸処理を行った後、抽出し化学処理を行って製造されるカバー力に優れた白色の顔料で、性状は白色の微細な粉末になっています。
光の屈折率が高く、400 nmよりも短波長の光を強く吸収する一方で、可視光吸収がないことからサンスクリーン剤の主役として多くの化粧品に使われています。また酸化チタンなしではファンデーションは語れないというくらい重要な粉体成分になっています。紫外線遮断効果も高いので、紫外線カット製品に好んで配合されています。
特に酸化チタンをさらに微粉末にした微粒子酸化チタンは、透明感のある高SPFのUVケア商品やファンデーションに好んで使用されています。
結晶の状態でアナターゼ型とルチル型がありますが、ルチル型が蜜な結晶構造になっているのに対し、アナターゼ型は蜜でないため一般的に光触媒としての活性が高くなっています。
工業的には白色ペンキや絵の具等の塗料に好んで利用されています。医薬品の添加物としても利用され、遮光性があることから光に弱い顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの着色や主薬保護の目的で使われています。
化粧品においても、ファンデーションや紫外線カット製品に多く使われる酸化チタンですが、光触媒作用による肌の酸化作用が問題視されています。そのためミネラルファンデーションをはじめとするファンデで血用する場合は、コーティングをはじめとした様々な表面処理や分散剤の技術による開発が進んでいて、化粧品原料として技術競争が激しい成分となっています。